BLACK MOON, Model Yusei Yamamoto, Shot by Yokna Patofa

Tuesday 28 December 2010

始祖鳥なんとかかんとかの死(未完成)

勇者・・。勇者に対して私が最も強い興味関心を抱いて来た・・、というのは事実といえるだろうと思います。しかしその勇者とは、必ずしも、何か素晴らしい血統や、勇気、目的を抱えていなければならない、とは必ずしも言えないと思います。
むしろ何も持たず、無防備なままで光景と対峙している退屈した人間に、私は共感を抱きます。それはハイデガーの言う意味での“おしゃべり”の無い、世界そのものとの対峙、とも言えます。
更に言えば、孤独な、ぽっかりと明るい谷底を、途方に暮れ、しかし半分身軽に、歩いている、そういう勇者が一番好きです。
退屈、勿論それこそが一番正しい。そしてアダム・カドモン・・、「木」が、受肉され、歩き出す・・その物凄い見えないエネルギーに、驚きを覚え、謎を覚えます。(これはまた、別の話ですが、私が「動物園」に興味があるのも、その、肉(木の抜かれた)、存在、退屈・・対峙 というものと関わっています。)
勇者であるには、エクスカリバーを抜ける能力が必要なのは、しかし確かだと思います。(私はこの点に関して原理主義です)
ただ、それは恐らく誰しもそうでありたいと思えば叶うものなのだと思っています。
半分望み、半分悲劇的に、成らざるを得なかった勇者に興味がある・・小さなきっかけで、例えば唯一の理解者であった姉が自殺するとかで。
yoknapatofa



始祖鳥なんとかかんとかの死 from yokna patofa on Vimeo.


『始祖鳥なんとかかんとかが死んだ日』
乾いた砂利道に学生服の男の子が俯いて立っている。石ころを蹴っている。白、青、黒、
呼ばれた感じでカメラの向こうに振り向いてから、こっちの方に歩いてくる。
お葬式の様子、写真。家の中の仏壇ぽいのと外の光と影が半分半分で映される
「遺書は無かったみたい。ただ昔から、ちょっと変わってたから・・」
自転車で学校から帰ってくる男の子 ポストから封筒がはみ出てるのを見つけて取る
封筒「タケルへ」
声「タケルへ カッコいいシャツ買ってスケボーやんな。それと本を贈ります。」 
  二階、机の前、光のなか 粘土の鳥っぽい恐竜ぽいやつと、鉛筆削り、既に読まれた手紙が置かれている。 封筒からシャツと、本が出てくる 本を開くと始祖鳥に◎がついてる
 廊下に積まれた段ボールから壊れたヘッドホンと機械を取り出して聴く。川の映画

川で男の子が石を選んでいる カバンと自転車が遠くに置いてある 川の石はものすごく乾いていて白い 画面全体が乾いている 川は流れている 男の子は大きい石を選んで何か字を書いて川に落としに行く。字を書いてる男の子の手のアップ(カメラの影が入る) コマ撮りになってタイトルになる
 テロップ『何とかかんとかが死んだ時』
 テロップ『誰も何も言わなかった』
 テロップ『だからぼくは気付かなかった』
 テロップ『1652年の夏だった』

  作業をしている男の子の顔のアップ 優しそうな顔をしているが、学校に居場所がない感じ。 理科の授業中。
授業が終わった後。チャイムが鳴ってみんなが教室から出て行くのに、男の子だけ同じ場所に座って何かを見ている
 先生が何かしゃべってくるのに、困ったような笑顔で「いや、だいじょぶです」みたいなことを繰り返す
 時間の経過がわかる感じで今度は落ち着いて一人でいる男の子とガランとした理科室。ホネとかある 机は黒 椅子は木 窓の外は違う白い校舎と、青空 
 男の子の一人で作業している姿。始祖鳥を一生懸命ノートに書き写している。
 誰かの声:屋上に行けるというのは嘘だ
 誰かの声:あんな重たい鍵がかかってるじゃないか
男の子のノートの内容。BGM:
始祖鳥等の絵のコラージュ
 誰かの声:始祖鳥は一番高く飛べる 男の子のちいちゃい子がクレヨン描く描きかたみたいな様子
 ガランとした白い夏の廊下、遠くで部活の声(三階)

保健室から出てくる男の子 
昼休みという感じの校舎内 男の子は一人でカバンを持って下駄箱から靴を出して昇降口から出て行く
 自転車を押してる男の子 川の近くにつく 体育座りをして顔を腕の中にうずめてじっとしている 一瞬張り詰めた空気になり、男の子がハッと左を見る
 少し男の子の周囲を見渡せる感じのショット アップで背後から正面(臨場感がある感じ) 

 夜、 男の子が目をつむって涙を流している
母「お姉ちゃんから電話だよー」
男の子、電話の近くへ行く
「(少し話した後で)今日、川で… 始祖鳥見た。」
姉の声「(少し黙ってから)始祖鳥・・・?いつ?」
男の子「(ちょっと嬉しそうに)最近けっこういる」
姉の声「ほんと・・?今度(以下音声消え、また男の子のノートを書いている様子)」

飛行機 エンデイングテーマ





yokna patofa 19 hours ago Delete / Edit
I made this 19 or 20 years old.
He is my brother.
The story is about the death of his sister,me.
But I couldn't shoot some scene.

even it,I love this film so much.
I know other people are never interested in this film,
but this film is really beautiful.
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yokna patofa 19 hours ago Delete / Edit
But I deleted this original data file.
Because I thought this film was boring,
But this was the best of me.

I am really regret now.
Reply to this comment

Monday 6 December 2010

ロンドン旅行記 for HTRK

did illuminations


ロンドンへ行って来た。最初はvictoriaの激安宿に泊まって、その後は、Neurotic Mass MovementのYinとDavid達のアパートに泊まらせて貰った。そこにはCarmenというミューズもいた。

Neurotic Mass Movement


NMMの
来年発売のEPの為に、ビデオを作ることになった。そして、インタビューを彼らが受ける時についていったりした。雑誌には私とハラ・トムさんの名前が載る。






ロンドン一日目、NMMのGIGに行って、驚いた。ロンドンは寒くて灰色で冷たいと思っていたのに、会場の中に入ると、フリーのパーティは人で溢れかえっていて、ものすごい熱気だった。そして演奏のレベルの高さ(=NMMのパフォーマンスのことだけど)にも驚いた。皆踊りまくっていて、それがまたハマっていてカッコよかった。
ドキドキしながら二階に上がると、すぐにYINと目が合った。。目が合った途端、よくなーーー!!!と抱きつかれた。
ものっっっすごい超絶美人がいて、目が合った!と思ったら、NMMに参加していて、それがCARMENだった。
彼らがインタビューを受けているようなので、興奮しながら帰る。

ロンドン二日目、ICA。HTRKのライブ。早く着いてバーで待っていたら、コンラッドがいたので、ちょっと話しかけようかと思ったが、どんな人かわからないのでやめておき、映画がやっているみたいなので観てみたら、JONNINEが主演で、NIGELがサウンドトラックを担当していて、コンラッドも出ている映画だった!
すごく面白い映画だった。観終わってからもう一度バーに戻ると、またバーにいったらコンラッドが目の前にいたので、
話しかけると、「YOKNA?」と言われたので、そうですと言って、映画が良かったこととかを言った。コンラッドが、ちょっと待っていてくれ、ジョンとナイジェルを呼んで来るから、というので、ライブ後に会いたい旨伝えた。コンラッドは正直言ってすごい素敵な人だと思った。ジョンが好きになったのがわかると思った。

会場が開いたので、一番前に陣取って用意した。ナイジェルが使うであろう、マニアックな感じの機材の数々が目の前。。すごいお洒落な男の子たちが隣でイチャイチャしていたのでめっちゃ写真を撮りたかったが、暗かったのでやめた。すぐ隣には、また、すごい可愛い子がいて目が合ったので写真を撮りたかったが、恥ずかしかったのでやめた。
VJは、カレイドスコープのようだった。最初は少ししか人がいなかった会場が次第に人でいっぱいになって、しばらく待つと、歓声が上がって二人が出て来た。カメラを用意して、ジョンの方を見ると、一瞬、こっちを見ていた気がした。
たぶん、気付いてくれてたんだと思う。こう書くと、ただの勘違いファンみたいだけど、私はゴツいカメラを持っていて真正面にいて、東洋人だったので、わかりやすかったと思う。
ライブは、本当に胸が苦しくなるものだった。ライブにYINたちも来ていたので、その後意見を聞いたけれど、sad、という言葉を誰しも言っていた。ゆっくりした光の中に、消えて行く二人の姿、workworkworkを象徴するかのように、二人は曲をこなしていった。ナイジェルの作業量は半端なかった。喪失を感じた。誰しも、ライブについて、「半分半分」という言葉を使った。ただわかったのは二人が次のステージに行ったこと、行こうとしていることだ。さっきの、気付いてくれたんじゃないかうんぬんのとこで、書くかどうか迷ったけれど、今あえて書くけど、日本に帰ってきてから、二人からメールが来てて、ジョンから、「群衆の中にあなたがいるのを知ることが、私達をより強くさせた」という短い、フレーズで、それだけでマジで泣けて来た。だから多分、あの時ジョンは、バカなファンがはるばる日本から来たことに、気付いてくれてたんだと思う。実際、ロンドンへ行った唯一の目的は、HTRKのライブを見る事だった。ロンドンは高いので、HTRKを本当に好きだったけど、今まで行けなかった。遅過ぎた決断だったかもしれないとも思うけれど、ナイジェルからライブをするということを教えてもらった時、答えは一つだけだった。

ライブが終わった後、YINにまた抱きつかれてDAVIDたちと合流して、バンドを待っているからといって1人で楽屋を探したけどわからなかったので、係員の人に聞いて、連れてって貰い、外へ出ると、ちょうどすごく向こうに、ナイジェルとジョンと、ナイジェルの彼女が見えた。なので「彼らです!」と言って、YINたちもいたので、そっちの方へ走って行って、まだ遠い三人の手を振った。ナイジェルが、「yokna?」と聞いてきたので、yesと言って、nice to meet youと三人に言った。
ジョンが、ハグしていいか?と聞いてくれたので、ハグした。すごく嬉しかった。
yinや皆でちょっと話し、ナイジェルの彼女に写真を撮ってもらった。
ナイジェルが、後でコーヒーショップへでも。電話をくれというようなことを言ってくれたので、わかったと言って、その日は帰った。
帰ってから、素材を見返した。とても美しかった。
このビデオは近々アップしようと思っています。

古着を買う? ロンドンの古着はめっちゃヤバい。バブリーな肩だけど、バブルともまた違う、未来的な服と、衣装に使えそうなドレスを買った。

三日目、瓦礫の山で8ミリを撮った。注意される。(笑)

四日目、ヴィクトリアの旧発電所へ行こうとしたが、重い機材を背負って三十分くらい歩いたのに迷って全く見つからず、
疲労し、バスで帰ろうとしたところ、charing crossへ行くことがわかったので、charing crossの教会を思い出し、イリュミナシオンする。
何か一種、宗教的な荘厳さを感じたのか、なぜか誰にも注意されない。でも確かにこれは、悪ふざけでは全然なかった。これは真面目で地道な革命なのだと思った。イリュミナシオンすることはできたものの、ピアノが邪魔だったので、どうしようかと思いながら帰ろうとすると、地下鉄がストライキで止まっている。仕方なくバスで帰ってヴィクトリアで降りると、教会がある。どうだろうと思ってはいると、マジヤバい!!!!!!!すごいガチな教会で、後にそこが話題のウェストミンスター寺院だということがわかるのだが。でももしかしたら違う教会かもしれない。でも物凄いガチだった。そして奇跡は起きた...........



モーゼ的イリュミナシオン後、前から欲しかったので(主にイリュミナシオンを撮り始めてからだが)、十字架を買う。
青の金属にしようと思ったが、ずっとつけていられそうな、木製の、小さなイエスがいるものにした。
私はキリスト教徒にはなれないと思うけど(なれたらいいと今まで何度も思ったけど)、そういった信仰と違うもので、同じものを、持っていると思う。そういう意味で自分の立ち位置が、イリュミナシオン後、わかったので、十字架が欲しかった。ジーザスに呼ばれた感さえある程の、幸運なロケーションとの出会いだった。


その後、ヴィクトリア駅からYINに電話。
タクシーでYINの家の近くのバーガーキングへ行く。
YINが迎えに来てくれて、そこにはカルメンもいた!カルメンは、本当に美人で、最初はパフォーマンス(チューインガムを噛みながら、イェンとキスするというようなものだったらしい)から、美人で、フェティッシュでビッチな人かと思って近寄りがたかったけど、実際は本当に聡明な人で、超超スピリチュアルで、癒し系で、ベジタリアンで、サウスアフリカ出身で、本当に色んなことを知っていて、ドローイングも凄くキレイで独創的で、本当に可愛かった。カルメンのことを見ていると、うっとりして目が離せなかった。発音は上品で、shitとかcrazyとかcoolとかsweetとかas wellとか、the(部屋ではいつも音楽がかかっていて、すごい好みのベースだったので、だれの?とイェンに聞くと、アンタなにいってんの!って感じでキュアだ、と教えてくれたので、キュアは確かに改めて聴いたことなかった!と思って、CURE、とノートに書いたら、前からカルメンが、「ッTHE、」と言ってくれた。その発音が最高にセンセーショナルだった。。)とか、今でも耳に残っている。
その夜、ディヴィッドに、インド料理をご馳走して貰う。お店に行く道で、カルメンと話す時、ホロスコープの話になり、射手座は旅が好きだよね、と言うと、うん、と言われて、星占いの知識なんて今まで超ムダに思えて隠してたけど、私は一般的よりは現在少し詳しいので、その知識が初めて、あって良かったなあと思った。ビリヤニとカレーを食べた後、皆が集まれるのは今日だけだということで、チャンスがないから、本当に急だけど、ビデオを撮ることを頼んだ。
皆で慌ただしく撮影の準備をした。楽器を持ち込み、テーブル等をどかし、部屋がそのまま撮影現場になる。私からは、ライブ前のパフォーマンスであった、イェンとカルメンとのキスシーンを暗くて撮れなかったので、改めて撮りたいと言った。急にこんなことが出来るなんて、本当に嬉しくて、感動した。

撮影は、私にとっては、最高に美しかった。最高に美しい、今までやりたかったことが出来たと思った。
でも途中で、ディヴィッドが怒ってしまった。クリシェなレズビアンの陳腐なビデオがどうとか、言い争っている。
正直、結構自信喪失してその日は眠った。



五日目、朝、早く目が覚めて、日記を書いていたら、ドアがノックされて、イェンに、ちょっと話しをできるか、と聞かれたので、キッチンへ行った。
ディヴィッドは昨日のことを怒っているの?と聞くと、イエス、と言われた。
そして英語が良くわからない私に正確にわかるように、ノートにキーワードを書きながら、説明してくれた。
それらは昨日の段階で、私も理解したことだったし、謝りたいことだった。
イェンの言ってくれたことを書くと、
ソフトポルノは、アートではない。
なぜならそれらのエロティシズムはクリシェであり、カテゴライズされたものであり、ウーマンパワーでは、決して有り得ないからだ。

だから昨日の映像は、貴方の作品にしてくれて構わないが、NMMの映像には使わないで欲しい、と言われた。
イェンは、例として、BLUE SKINのビデオの話をしてくれた。BLUE SKINのビデオは、六時間で、フランスで、すごく荒く撮ったもので、バンドは出来に全く満足していない。何故なら、BLUE SKINとは、暴力や、性的虐待についての曲であり、
青い肌は、痣、という意味でもある。それなのにビデオは、過剰に性的で、紋切り型のタフなレズビアン像で、すごく退屈なものだ。皆、あのビデオを笑った。
私は、先にビデオを撮らせて欲しいと言うべきだったが、不確実な中で、言えなかったこと、しかし会ってから、どうしても何か素材を撮りたいと思ってしまったこと、
それと、ライブのパフォーマンスを再現したかった意図、
SASHA GREYのビデオの一つに、(ディヴィットはSASHAが嫌いらしいが)、永遠を感じていたこと、を、カニンガムのビョークのビデオなども例に挙げて説明した。
しかし結局、初めから私も考えは決まっていて、NMMにあのビデオは似つかわしくないということは既に理解していた。
話していると、キッチンの窓が叩かれた。イェンが外へ出て戻ってくると、ディヴィッドがコーヒーを飲まないかと言っているという。
外は雪が降っていた。お風呂に入ってから、コーヒーショップへ行く。

コーヒーショップで、ディヴィッドも交えて、また話した。
NMMの表現したいことを、率直に話してくれた。私が非公式で作ったHTRKのビデオについて、どうやって作ったのか、聞かれたので、「あのビデオはオフィシャルなものじゃなくて、ファンビデオで、HTRKは気に入っていないと思う。」と言うと、「どうして!」と驚いてくれて、「正直言って、私はあなたのビデオを何千回(?)も見た。あなたはいいフィルムメーカーだ。今回のアルバムは映像と曲のトータルなもので、その公式なリードフィルムメイカーはあなただ」と言ってくれた。
作りたい曲名も聞いた。GIGで最後に演奏した曲だという。それは静かな曲で、終末論的、世界の終わりについての曲だった。
私はBLINDNESSの最後の方を思い浮かべた。
そして、20歳の時の初めてのロンドンへ来た時の印象、終わった世界、灰色で静かで死んでる街、だけどすごく素敵である、ということを言い、東京よりも、ぜひロンドンで撮りたいと言った。
クロワッサンとサンドイッチを食べて帰ると、カルメンが仕事へ行った後か、すれ違いかだったかで、TOMが、「カルメン、雪降ってるよ、と言ったら、SHIT、って言ってたよ」と言ってウケた。

その日は音楽を聞きながら温かい部屋で過ごした。マオマオという猫がいて、この猫は最初女の子だと思っていたが、ピーナッツが後に発見されて、男の子になった、とイェンが言って笑っていた。
ナイジェルにイェンが電話してくれるが、出ないので、留守電にいれてくれる。
NMMのパフォーマンスの話になり、生演奏のドラムも入れたいと思っている、と言うので、真っ先に1人のドラマーのことが思い浮かび、「紹介したい人がいる!!」と言い、DARKSIDE MIRRORSのTELEPHONEのPVを見せた。賞賛の嵐だった。「彼女は際立ったドラマーだわ。素晴らしい。」かなり二人とも興奮していた。ディヴィッドはもう一度見せてくれ、と言った。他のビデオはないのかというので、CUTIE666を見せた。



ビデオを見ながら、ディヴィッドが、先日撮った、お蔵入りのビデオについて、一つのアイディアを出した。
私はそれはいいアイディアだと言い、その線で作りたいと言った。

夕方になって、「買い物へ行くけど貴方も行くか?」とイェンに聞かれたので、着いて行く。吹雪の中、色んな人種の人がひしめく道を行き、色んなお店を回って材料を集めて行く。スーパーで、イェンが、ガムを噛みながらレジ打ちをしている、姿勢がよくて背の高い、カッコ良い黒人(もっと適切な言い方があるのかもしれないが、、)の女の人に、「調子はどう?」と聞くと、やれやれ!という感じで、大げさに身振りしながら、「超〜寒いわ。」と彼女が答えた。日本にはないレベルのカッコいいレジの店員だと思った。

帰ってから、イェンの料理をいただいた。タイのヌードルで、めっちゃおいしかった。

その夜、ディヴィッドがイリュミナシオンされるシーンを撮りたいということで、ディヴィッドに恐る恐るお願いした。
この映像は、3カットのみだが、リンチを超えたかとさえ思える面白い出来になった。



六日目、お昼頃起きると、カルメンが仕事へ行くのに、鏡の前でお下げにした後お団子に、髪を結っている。服はブリティッシュなニットのベストとグレーのスカートのスタイルで、超超可愛くて皆で可愛いねと言う。
TOMさんが、先にカルメンと話して、あなた程の女優は日本にはいない!と線を張っておきました、でも実際のオファーはヨクナさんがした方がいいと思います、と言ってくれるので、絶対言えそうにないなあと思ったが、運良く二人きりになった時に、明日、仕事はあるの?と聞いてみる。
すると、ない、明日は私にとっては週末だよ、と言うので、映画に出てもらえない?と聞くと、いいよ、と言ってくれる。
森で撮りたいというと、ハッキリとはわからないが、たぶん、近くに森があると思う、と言う。
今日はカルメンもインタビュー来るの?と聞くと、うん。行くわ。後で映画について詳しく話そう。と言って、仕事に出かけるのを見送る。

インタビューに、既に暗い中、ついていく。だが、凍っているために地下鉄がストップしたり遅延したりで、その道のりはかなり険しかった!
アナウンスにホームの人たち皆が凍えながら耳を澄まし、帰ろうとするとアナウンスが鳴り響き、ホームに戻り、列車に乗る。しかし少し乗るとまたアナウンスが車内で響き、皆がSHITとかFUCKとか口々にOH NO〜!とか、口々に言い始める。列車の中の人たちが、列車の乗り換えについて情報を交わし出す。携帯電話で皆大声で話し出す。列車が止まるのだということがわかる。
やっと建物につく。そこは昼は学校で、夜に色んなアート関係のことの為に開放してるっぽいとこだった。
インタビュアー、カメラマン、エディター、色んな人たちが来て、東京から来たフィルムメイカーだと紹介してもらい、挨拶をする。すごい若い子たちがたくさんいた。
隣の部屋では、照明とプロェクターが設置されていて、NMMのマック出力のリズムとかのサウンドを担当している、(日本にも、DJを、AIRとか、UNITとか有名どころでやったり、仙台とか福岡とか各地で、ツアーとかもしてるらしい、)オリバーの選曲した音楽がガンガン流れている
皆がメイクをして、それを撮ったり、オリバーと話したり、日本に興味あるっぽくて話しかけて来てくれた女の子と話したり、色々だった。途中からカルメンが来て、彼女のメイクがまた物凄くゴージャスだった。





明日がロンドンの最終日だったので、この日は当初より、皆へのプレゼントを買いに行こうと思っていたけど、予想以上にインタビューや撮影が遅く始まったこともあって、カメラマンの人に、何かいいお店はないか、と聞いても、どこも閉まっちゃってるよ、と言われる。それでしばらく考えた後、違う部屋の中にいるティーンエイジャーくらいの子達に、「おーい、超重大な質問だぞ!」と呼びかけて、「プレゼントに、今開いてる店はないか?」と聞いてくれるが、皆口々に、「えーないよー」みたいな感じでブーブー言っている。そのうち、話が、東京ではすべてが高い、というような内容のことになる。
しょうがなく、とりあえずすぐ出てお店を探そうということになり、撮影の部屋に戻り、カルメンに、ちょっとしなきゃいけないことがあるから、先に外に出るね。と言うと、
映画を撮るの?と聞かれたので、
いや..、買いたいものがあるの。
どこへ行くの? と言われたので、さっきのカメラマンの人と話していて目星にしていた、カムデン、
と言い、
そのうち、多分日本へのお土産を買いたいと思っていると思われたのだろう、カルメンに、カムデンはもう閉まってるわ、ソーホーなら、もしかしたら開いているかも、と言われ、地図と、行き方、帰り方を描いてもらう。



帰り方をカルメンがディヴィッドに聞いている時にイェンも聞きつけて、今から買い物なんて、お店は全部閉まってるわよ、と言われ、
でも.....って感じだったが、結局、明日、私のフライトの当日で、不安だったが、早朝撮影をし、その後に買い物して、帰ろうということになった。
バブリーで未来的な服着て写真を撮ってもらった。初インタビューがロンドンてなんかいいね、と話した。

その後皆でパブへ行き、基本的におつまみを食べながら、色んなことについて話しているのを聞いたり、ちょっと話したりした。30%くらいしかわからない感じはしたけど、皆でいる仲間に加わっているだけで楽しかった。
ふと、私の正面の、隣のテーブルに品が良さそうな、おじいさんとおばあさんのご夫婦がいるので、笑いかけると、あちらも笑ってくれる。しばらくまた皆で話していると、おばあさんが話しかけてきてくれて、サウスアフリカ出身でカルメンと同じで、皆の写真を撮ってくれると言う。皆で変なメイクしてるから、話しかけてくれたのかな?と話した。
その時の写真




パブで、少しメイクと、計画について話す。カルメンは、主人公が全ての行動を始める原因になる存在であり、非常に重要な役だ。ずっとこの役を出来る人を探してた、と伝えた。森で撮りたいという、前に言ったことを覚えてくれていて、買い物のことも含めて、計画を立ててくれた。ノースロンドンにある大きな公園の森で撮影して、その後カムデンへ行く。だがその森まで行くのに、一時間位かかるから、8時に撮り始めたいなら、6時に起きて、7時に出発しなければならない。カムデンへ行った後、面白い展覧会があるから、連れて行くわ。

帰りのバスで、ディヴィッドとイェンは何か用事があって先に降りて、私とトムとカルメンだけで先に家に帰ることになる。明日撮る映画の話をしながら、いつの間にか、ホロスコープとカバラの話になる。カバラはいくつか?と聞くと、11、と言うので驚く。yokna patofaも11なんだよ、と言い、ライフナンバーは7なんだよ、というと、カルメンは名前が7で、反対だと言う。奇遇で嬉しかった。トムのことを分析していて、水星について、コミュニケーション、と言うので、「あと、知性。」と言うと、「良く知ってるね!」とほめられた。。

そんな話をしていると、停車駅を乗り過ごしてしまい、雪の中、降りた。
歩きながら、寒いので、ホッカイロをカルメンにあげると、sweet!と驚いていて面白かった。(私が今回の旅で研究した限りは、ロンドンにはホッカイロは無い様子だった。何故だかはわからない。既に寒過ぎるからだろうか?使い捨て感が、エコに反してる感じだからだろうか?普通に輸出したら儲かるんじゃないかと思った。私はやらないけど、ユニクロのヒートテックが売れるなら狙い目だと思う。。)

雪の中を歩きながら、カルメンが、雪は全部を綺麗に見せてくれるから好きだと言った。ロンドンは灰色だから、雪が美しいねと言った。私は、あなたとトムと、こうして今夜、雪の中を歩けるのがすごく幸せだと言った。実際、こうやって書くとかなり子どもっぽい台詞に思えるけど、その時は胸がいっぱいだった。
ものすごく寒かったけど、物凄く思い出になると思った。そして、絶対にわすれたくないと思った。

サウスロンドン、ノースの公園、最初の拠点ヴィクトリア、HTRKと会ったICA、すべてが思い出の場所となった。NMMと会ったブルーラストも。すべてをわすれたくない。
そしてより強く更新したい。


帰ってから、また色々あって、結局am 3:00過ぎに寝ることになる。カルメンが、ディヴィッドのいびきがうるさいので、こっちの部屋で寝ると言う。緊張して眠れないし、一回寝たら明日朝起きられないだろうと思ったので、寝ないつもりだったが、いつの間にかコンテを書いてる途中で寝てて、6時半の目覚ましで起きた。慌てて準備。奇妙なメイクをカルメンが既にしてくれているので、「すでにここからメイクしていくんだね。気にしないんだ..」と話し、「本当にこの人はミューズだ」と思った。
案の定、地下鉄でもバスでも、カルメンを見ては目を逸らす人が続出したが、彼女は全く気にせず、普通にバスで隣の人に何か聞いたり、道で通行人に駅を聞いたりしていて、更にどんどん好きになっていった。
彼女は、昨晩、ディヴィッドと色々話したりしていたこともあったんだけどそれは省くけど、すごく芯の強い所があって、でもとっても優しくて、自由で、偏見がなく、カッコ良かった。
地下鉄の中でメイクの続きをすると、shit,口紅が、赤じゃなくてピンクだった、とカルメンが言い、着いてから化粧品屋さんでトライアルを使おう、という事になる。そしてカルメンの顔を見ながら、「もっとメイクをカオティックにしたいと思う」と言い、トムも同意してくれる。

街へ出て、化粧品屋に入る。
トライアルにいい色がなかったので、ペン型のものを買う。これはとってもいい色だった。買って、お店のウィンドウに顔を映しながらカルメンがメイクをしてると、通行人がもれなくカルメンを見て過ぎ去る。
トムが、「ヤバい、カルメンがすごい美人ですごい変なメイクしてるから、皆こっち見てくよ」というのが面白かった。
そしていい感じのお店ばっかりなので、カムデンへ行かないで、ここら辺で皆へのプレゼントを買うことにし、スケジュールの目星がついて嬉しいが、すでに10時位で、私のフライトが19時で、こっからアパートへ帰って、またヒースローまで一時間くらいあるので、ギリギリ感が否め無い。カルメンが、自分はいつもフライトの三時間前には空港に緊張しながらいるよ、と言うので、私も普段はそうだけど、正直、今回は、映画を撮る方が、フライトよりも重要だと言った。実際思った。実際ロンドンからこんなに早く、帰りたくなかった。これはビジターズラックとでもいえるようなもので、いたらいたで、天国のような感じがずっと続く訳はないとは勿論わかってはいた。
公園で撮影。すごい森。もう、確実にいい画が撮れる予感。カルメンは極寒の雪原の中、薄い白いワンピース一枚で歩く。
通りかかる歩行者の人々がカルメンを応援し出す。カルメンは愚痴一つ言わない。
無事撮り終え、皆ガタガタ震えているので、一度お茶をしようということになる。一番近い喫茶店へ、雪の中、歩いて行く。二人の歩いてる後ろ姿を写真に撮る。すごい寒いのに、すごい幸福感で、胸がいっぱいになる。
その喫茶店の名前は「マグダラ」だった。「ヤバい、来てる」「マグダラのマリアだよ。」
スコーンを食べたかったけど12:00からしかないらしいので、ポテチを買う。ポテチとか、あいうえお、かきくけこをカルメンに教える。それでカルメンという名前の意味は?と聞くと、カルメンはカリメロと同じ名前で、それは処女マリアの旧名なのだと言う。それに本当に驚き、映画でも、この役はまさに主人公にとって、マリアなんだよ、と言う。そしてやっぱりカルメンは、マリアだったんだと思う。
11:30頃になり、撮影を再開する。寒過ぎてトムとちょっと喧嘩っぽくさえなる。カルメンに、まだ私達だけで撮りたいから、先に帰ってくれというと、あなた達を家に帰さなきゃならないから、待ってるから大丈夫だと言う。言葉に甘えてなんとか撮り終える。
その後ショッピングをする。「小さいものを買いたい」と、本末転倒な感じでよりによってカルメンに聞くと、「いいお店を思い出した」と、細い路地を連れて行ってくれる。そこは、室内に色んなお店が入ってる場所で、色々なものが売っている。探しながら、早々にドラゴンの人形を見つけるので「これどうかな?」とトムに思わず言ってしまうと、「ディヴィッドへのプレゼント?」と普通にバレる。
買い物してる間も、カルメンに、お店の人が話しかけてくる。「彼女は女優なんです。」と言うと、「ゴージャス!」と言われウケる。

その後も、プレゼントを買ってることがバレバレなまま、最後にカルメンへのプレゼントを選んでいるが、本人の目の前なので気まずい。カルメンが、「あの口紅だけでいい」とか、タクシー代が必要だろうから大丈夫だとか言ってくれるけど、結局、「日本の漫画を後で送って。」という事で、あ、それいいね!と、一件落着になる。

二人が煙草を買うため、小さなお店に入る。カルメンからかなり尖った味のチェリーのガムを貰う。トムが一番安い煙草をくれ、と言うと、お店のおばあさんが、「煙草をやめるのが一番安いわよ」とかなり皮肉が効いている。

帰る前に、カルメンに、ホットチョコレートがただで飲める所があるんだけど、ホットチョコレートと、家に帰るのどちらがいいかと聞かれたので、ホットチョコレートと即答する。以前働いてた映画館なんだと言う。途中の角で、四、五人の男の人たちとバッタリ会い、カルメンがその人達を驚かす。久しぶりーみたいな感じで、カルメンのメイクについて口々に言っていて、友達だと言うことがわかる。
その後もお店に入ってからも、カルメンをハグしたり、会えて嬉しそうにしたりする人が絶えない感じ。トムが、「カルメン結構映画撮ったこと嬉しいのかな。こんなに友達に紹介したりしてるから。可愛いなと思って。」と言い、同感。
豆乳のホットチョコレートを貰い、下のテーブルで飲む。
しかしトムがトイレに行っている間に、私のオリエンタルホロスコープのコア話になり、結局全く説明出来ず、良くわからない感じになり、時間切れになり、帰る。地下鉄で、カルメンが雑誌を拾い、その中の虹の写真を見ながら、日本語の色の名前を教える。
その後バスに乗り、しばらく座れなかった後三つ座席が空いて、三人で座り、カルメンにバスの停車場の名前を聞いて、私が見てるから寝て下さいと言って、あと2つで目的地だよ、と教えて貰った後で、私が窓際だったので、窓の外を見てボーッとしていると、鳥が青い空に飛んでいる影が見えた。
それがわかったのか、でも多分、カルメンの位置からでは、見えないんじゃないかと思うんだけど。カルメンが、突然、「時々、人間であることを不思議に思うことはない?」
と私に聞いた。
私は不意をつかれて、yes,と一度言ってから、その意味がじわじわ入って来ながら、何度か、うん、と言った。そして、でも、人間であることだけじゃなくて・・、と言った所で、トムさんが、「あれ?!ここじゃない?!」と窓の外を見て、目的地だということがわかったので、カルメンがトムに「ナイス!」というようなことを言って、慌ててバスを降りた。
そして降りて落ち着いた所で、カルメンが、「でも、人間であることだけじゃなくて?」と聞き返してくれた。
なので、「時々、世界それ自体が不思議です。」と言った。
それをふと言った時、ロンドンに来たこの旅の総括が、それなんだと思った。

そして、歩いて同じ場所に来ながら、昨晩、雪の中を歩いて帰った記憶を思い出したよ、と言った。昨日は雪の中、スーパーマーケットの駐車場に、カートがぽつんと残っていた。今日は車が何台も止まっていて、雪が荒らされている。


インとディヴィッドの物凄くプライベートなやりとりとか、寝食とか、仕事もしないで、やなこと一切しないで、ピュアに世界を楽しんだ。
ロンドンは死んでいる街で、バイオハザードに似てて、人々は率直だが紳士的でもあり、20歳の時初めて来た時は見えなかったfeverの部分が、今回は知る事ができた。夜は早く、外は寒くてすぐ暗くなる分。


アパートへ帰り、準備をしながらバナナを貰った。ディヴィッドとイェンから電話があり、こっちはかなりセンチメンタルな気持ちなのに、色々話してる間に勝手に切られて結構そんなもんだなと思ってウケた。
そしてタクシーをディヴィッドが呼んでくれたみたいだから、あと二十分程で来るけど、お茶は飲む?とカルメンに聞かれたので、イエスと言い、三人でお茶を飲みながら、少し話した。クリスマスはどう過ごすの?と話し、私はケーキを食べると言った。カルメンはどう過ごすの?と聞くと、ロンドンではクリスマスには公共の交通機関は全てストップして、お店も閉まるから、1人の友達の家に皆で集まって、何かをすると思うと言った。
チキンを食べる?とトムが聞くと、お肉は食べないの、という話になり、既にイェンからその話は聞いていたので、ベジタリアンの話を少しして、それからツナ(マグロ?)の話になり、クジラの話になった。
捕鯨についてどう思う?捕鯨が、ある地域でしか行われないのは、興味深い事実だわ。と言われたので、
日本の捕鯨についての映画を見た?と聞くと(実際はイルカ?)、知っているけど、見る事が出来ないわ、とカルメンが答えた。なので、昔、海辺の人々は、生きるためにクジラを食べることが必要だった。それは文化だった。それが今も残っている。と言うと、理解出来るわ。と言われた。「クジラと、他の魚と、なにが違うの?」と聞くと、少し強い口調で、
「彼らはほ乳類だからよ。すごく賢いし、私達の家族の一員だからよ。」と彼女が言った。
その話がどうやって終わったか、今思い出せないけど、少ししてから、「プリンセス占いで、絶対にカルメンは人魚だ。」と思ったので、「プリンセスホロスコープっていうのがあるんだけど、絶対にカルメンはマーメイドだと思う。」と言った。
「ラプンツェルとシンデレラとかぐや姫という日本のお姫様と、白雪姫と、マーメイドのタイプがあるんだけど。私はかぐや姫で、もしホントにマーメイドだったら、初めてだ。」と言った。男性陣ではマーメイドには結構出会っていたけど、女性の知っている人の中に、人魚姫はいなくて、かぐや姫と人魚姫は、グローバルで、末永く友達でいられる仲だと書いてあるのを読んでから、そういう人をずっと探していた。この時点で絶対にカルメンは人魚姫だと完全に確信していた。(実際そうだった。プリンセス占いの方が、こう考えてみると逆に凄いが。)
そして、日本語だけど、リンクを後で送るねと言った。


時計を見て、「あと3分くらいだから外に出よう」ということになり、荷物を出して、玄関の前でタクシーを待った。
「また、あなたに本当に会いたい。」と言うと、
「うん。絶対に。」と言われた。
そして待っている間に、眠くてあくびをして涙を流していたら、
「ヨクナ、あなた、泣いてるの?」と言われたので、驚いて、「いや、ちがうちがう」と言い、
「でも、さっき、あなたが、時々、人間であることが不思議であることはない?と私に聞いた時、その質問は私の胸を突いた。」と言うと、よく聞こえなかったが「SWEET.」と多分言われた。
そして、タクシーが来たので、ハグしてタクシーに乗った。
タクシーの中で、本当に感傷的になった。イェンとかディヴィッドとかは、全然普通なんだろうし、旅人バイアスだろうなとは思ったが、今度は本当に涙が流れて来て止まらないモードに入った。トムが、「もう会えないかもしれないもんね..」と、そっとしておいてくれて、静かな時間が流れている感じだったが、突然タクシードライバーが、「中国から来たのか?日本から来たのか?」と聞いて来た。
めんどくさい感じで、「日本、日本」と答えながら、トムが「空気読まない感じっすね。」と言ったので、ちょっとウケた。