BLACK MOON, Model Yusei Yamamoto, Shot by Yokna Patofa

Sunday 9 May 2010

イメージフォーラム・フェスティバル2010

イメージフォーラム・フェスティバルに行ったのでそのことを書きたいと思っていたのだけど、ノートを無くしてしまい、覚えていることだけ..
誘って頂いた万城目純さんのグループと、同日、全くマークしていなかったバリー・ドゥぺというカナダの監督の映画を観た。
この、バリードゥぺの映画が面白かった。『pony tail』という映画で、一番後ろで観ていたけど、観客が何人も途中で帰って行った。
すごくダウナーで..
モッタリした感覚..
バグッた昔のゲームのような世界、荒いCGで、物や人がお互いを通り抜けてしまったりする。
他の作品はまだ観ていないけど、ポニーテールの紹介にはリンチについて言及されていた。
音響はリンチそのもの
ユーモアとか
女性の扱い方や抑圧も、リンチ的だった。
リンチという固有名詞が紹介文に出て来るのは、読んで、「おいおい」とも思ったけど、
読まなくともそう思ったと思うし、それがマイナスポイントには全くなってない。

いわゆる「リンチ的」といわれる要素について考えてしまった。
ベルベットとか、記号ではなくて、
その本質からなる一部、ひたすら白昼夢的な要素

フォロワーだけど、結果的にフォロワーになっていうるのはリンチよりも誕生の時間が早い、遅い、だけの関係であるような感じ。
いいところ(ある意味では悪い所)をフォローしている。
同じ世界を描いている
オリジナリティとかについてはCGっていうのが大きいから同じレベルで考えられないというか良くわからないけど、作品として、そういうことを置いといて強かった

会話がとにかく噛み合なくて(でも出て来る台詞は不条理で、暗示的で、直接的で..想像力を刺激する。)
次のステージに行く気配が全然ない
そして結局円環的な悪夢として終わった..ような覚えがある

最終的にカタルシスがあったかというと、私には全然無かった。
ただ、全体を通して、とても共感したし(キャラクターは求めている。)、心配になった。


http://www.barrydoupe.ca/



万城目さんの映画と、pony tailの間にメモを書いていたら、近くで偉い人っぽいおじさん二人が話していた。
昨日、違うグループである、中国実験映画を観たらしい。
どうでしたか?と聞かれると、「なんだかねえ。実験的なだけでもねえ」みたいな事を言っていた。
「怒りみたいなものはないんでしょうかね?」
「中国だと逆にありそうだから、期待していたんだけどねえ」
私は観ていないので、どういう事も出来ないけど、確かにこの、「怒り」ということについては
正直、全部通して無いなと思った。
日本にはまずないし、中国のイメージフォーラムで上映されるような実験映画にも、その二人の話を聞くと、ないんだな。
というか映画だけに限らず、最近いくつか現代的な展覧会を観たけど、アート全体にも感じられなかった。


リンチは、物凄くメッセージを伝えようとしている。

ドゥぺも部分部分すごくそうだった。世界から出ることのできない女性の無表情さはグッとくる
バグの世界






戦前の日本において、ナショナリズムを喚起させるためのイメージ戦略として、実在の人物(天皇)ではなく「朝日」「富士山」「日本刀」「桜」などの身体性のない記号が用いられたというお